くまもとの風合い KUMAMOTO no fuuai

くまもと手しごと研究所

協賛企業例

あつらえる。

~匠の技×アイデアで広がる可能性~

伝統工芸館 青木 様

古くから受け継がれる伝統文化や、地域の営みから生まれた工芸品に注目が集まる昨今。匠の技にデザインの力や消費者のニーズを取り入れることで、新たな価値につながるケースも増えています。伝統工芸品の可能性を広げ、後継者不足の解消にもつながるこうした試みについて、「熊本県伝統工芸館」の青木優子さん(本文中敬称略)にお話しを伺いました。

※青木優子さん:以下 青木 くまもと手しごと研究所:以下 事務局

あつらえる、という愉しみかた

事務局:
伝統工芸品をオーダーしたいというご相談も多いそうですね。
青木:
地元企業の周年記念やイベントなどで来場者へ配布する記念品のほか、最近では、アパレルや雑貨のブランドが伝統工芸品を別注品として展開するというケースもあります。ビジネス以外のシーンでも、例えばご家族の記念日や歳祝い、お世話になった方へのお礼などで、「先様のお好みに合ったものを贈りたい」とご相談にいらっしゃることもありますね。
事務局:
カスタマイズするという感覚なのでしょうか。
青木:
そうですね。自分好みにカスタマイズしたり、“あつらえる”という感覚でおいでになる方も多いです。「熊本県伝統工芸館」には常設展示室や週替わりの展示室のほかに、県内各地の工芸作家による作品を展示・販売する「工芸ショップ匠」というスペースがあります。一般的なセレクトショップのように“商品を選んで買う”ということに加え、工芸作家さんたちの特徴を知った上で、自分(あるいは先様)にとってちょうどいいものを考えるヒントにしていただけたらと考えています。
事務局:
テイストの異なる複数の作家さんの作品を見て・触れて、考えることができるので、自分の好みを認識しやすいし、ジャンルも幅広いですね。
青木:
肥後象眼だけでも10人くらいの作家さんの作品が揃います。刃物、陶磁器、木工、玩具、竹、イ草、染め物、織物、和紙、ガラス、その他、季節替わりでご提案する工芸品なども含めると、140人前後の作家さんの作品をご覧いただくことができます。展示室やショップで自分の感性に合う作り手を探し、現地へ行って職人の人となりを知ったうえで、あつらえる常連さんもいらっしゃいます。なかなか現地までは足を運べないという場合でも、作家さんとタイミングが合えば、館内の喫茶コーナーで打ち合わせをしていただくこともできます。

工芸品とは、地域の暮らしのなかで生まれた実用品

事務局:
“作家さん”と聞くと、長年のご経験や独自の世界観を大切になさるイメージがあって、こちらの要望を伝えるのは恐れ多い気もしていました。
青木:
ベテランの作家さんだからといって、耳を傾けないというわけではありません。むしろ、ベテランの方は世界観を保ちつつ、調整することに慣れていることも多いです。また、若い作り手さんならではの柔軟な発想も、使い手にとっては魅力のひとつ。流通という仕組みができてからは、使い手と作り手が互いに顔を見ることのないものづくりが多くなりました。でも、そもそも工芸品とは、地域の暮らしのなかで生まれた実用品。つまり、使う側の要望が作り手に届くことで、生まれた品でもあると思うんです。作り手さんと使い手さんを「つなぐ」のが、私たちの役割です。当館のショップは商品を元にあつらえることを想定して、作家さんのその時期の代表作を置いていただいていますので、気になる作家さんや商品を見つけたらお気軽にスタッフへお声かけいただきたいですね。
事務局:
特注する場合、どれくらいの期間がかかるものでしょうか。
青木:
ジャンルや作家さんによって異なりますが、展示会や催事のほか、注文が混み合っている場合もあるので、期間には余裕を持ってご相談いただいたほうがいいですね。山鹿灯籠や天草の陶磁器を例に挙げると、灯籠祭りや陶磁器展など、地域の大きな催しに向けて集中的に製作期間をもうけなければならない時期もあります。作家さんごとの製作期間や、大まかな年間のスケジュールについてもこちらで把握していますので、お気軽にお尋ねください。