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くまもとの風合い
くまもと手しごと研究所

導入事例紹介

紅白餅がお気持ちの基本。

渡すよろこび頂くよろこび、そして作るよろこび

米白餅本舗 4代目 田尻隆一郎 様

2020年早春からCovid-19(新型コロナウイルス)の世界的流行をうけて、皆で往来や会合を控えた一年間。それまで普段のことと気を止めていなかった「人に会う喜び」「小さな寿ぎの大事さ」などに気づかされた一年間でもありました。そんな2021年春、お祝い品や企業の寿ぎの品として親しまれている紅白餅の老舗の方のお話を伺ってきました。

※田尻隆一郎様:以下 田尻 くまもと手しごと研究所:以下 事務局

100年前から、お餅、搗(つ)いてます

事務局:
創業は明治43年、というと、もう111年前ということになりますね。
田尻:

母の祖父にあたる初代の米島真白が長崎から熊本に来て、ここ熊本市中央区水道町に店を開いたのが明治43年。明治の後期ですね。100年を超えたときから、ずっと「創業百年」といい続けています。
初代は長崎から来て、熊本の町の方々に応援していただいてこの水道町に店を構えました。冬は餅屋、夏は氷屋をやって、大変繁盛したようです。

事務局:
目の付け所が素晴らしいですね。
田尻:

熊本は軍都でしたから、軍御用達でお餅や餡餅を納品するようになり商売が安定したようです。
それから私が4代目ということになります。

老舗の伝統の強みを幹として、枝葉を繁らせる

事務局:
昔から家や企業の寿ぎの引き出物は紅白餅でした。
田尻:

いまは「餅は餅屋」の強みを生かして、時代に合わせた展開を図っています。
紅白の餅は企業の創立記念や、社屋などの落成式のときにご利用いただいています。

事務局:
4代目になられてから、とてもたくさんの商品を送り出されていて驚きました。
田尻:

お餅のに文字を入れたり、写真を入れたりする引き出物の紅白餅もよくご利用いただいています。絵柄が入るだけでオンリーワンの贈り物になります。
また、季節のフルーツなどを入れた大福も取り揃えています。
最近ではいちご大福が大変好評です。
おかげさまでいちご大福の専門店「よねはく」も2021年1月に東京の神保町にオープンしました。
その一方で、当店では、いろんなお餅づくりにチャレンジをしています。
なかには日の目を見ないものもあり、そんな失敗もたくさんしています。
でも十やって一つでも成功すれば。
何もやらなければ成功もしないわけですから。

餅を届ける、そのなかに仕事の意義を見た

事務局:
好評ないちご大福を引き出物として使われることが多いと聞きました。
田尻:

当店のものはいちごが外から見えるので、紅白の色味のおかげでしょうかそのようにお使いいただくお客様もられます。
その分、いちご大福の素材には大変気を使っています。
餅は熊本のもち米で作り、餡は北海道の小豆を炊き上げます。
いちごは毎日当店の者がJA菊池、JA玉名に行き、実物を見て仕入れます。
みずみずしい果物の美味しさと共に、新鮮なうちにお召し上がりいただきたいです。

事務局:
お持ちしたその日に頂かないといけないという貴重性というか、即時性がいいのかもしれませんね。
日持ちするものは置いておくうちに頂いた時の気持ちが薄れることがあるかもしれません。
頂いた時の気持ちを忘れないうちに、口の中に幸せが広がる。そのような体験をお届け先の方に差し上げる素晴らしい引き出物・記念品だと思います。
田尻:

私は大学を出てからすぐに父がやっていたこのお店に入りました。
やりたくて始めた仕事ではありませんでしたし、他の会社で勉強したいという思いもありました。
その後すぐに父が体を壊し私が28歳のときに他界しましたから、いまでは早く店に入ってよかったと思っています。
それから30年餅を造り続けていますが、最近、私どものいちご大福を食べて「感動した!」というお客様がいらっしゃいました。
ああ、この仕事をやっててよかったな、意味があったなと。
初代から続けてきた餅づくりの仕事の意味がやっと分かったような気がしています。

事務局:
今日は本当に素晴らしい話をありがとうございました。

取材・文章及び撮影(紅白餅・いちご大福) 眞藤 隆次

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